うちの会社にかぎって?
企業のパワハラ対策。「訴訟なんてされるわけない」と思っていませんか?
確かに弁護士への相談、裁判、といえば一般の従業員にはハードルが高いですが、労働基準監督署の窓口相談は無料、かつ手続きも非常に簡単に会社への解決金請求ができてしまいます。
私は、まさにこの総合労働相談の窓口で相談を受けておりましたが。。。。本当にいじめ嫌がらせのご相談は多かったです。
人間関係って、相手があることなので、一方の話からだけでどちらがいいか悪いを判断するのは難しいです。ただ、おなじ「ばかやろー!!」でも、愛情表現にもなりうるし、パワハラにもなりうる。
言葉尻のことではなく、それまでにいたる信頼関係に根っこがあると思います。
じゃあ信頼関係を築くにはどうしたらよいかというと、まずは、会社がルールを守ること。そして、何を目指しどこに行こうとしているのかを共有すること。その上で、適切なコミュニケーション方法を身につけること。
ルール=就業規則
何を目指すのか=会社理念
適切なコミュニケーションの習得=教育
です。
1.就業規則
従業員が荒れている会社ほど、まずは会社の方が社会的ルールを守っていません。すなわち、労働基準法など。就業規則はない、またはあるけど見せてもらえない。労働条件通知書はもらっていない。だからこそ従業員も会社のことを「ちゃんとしてない会社だ」「だまされないように」と思う。から、ベースの信頼性が低いんです。
また、それまで生きてきた歴史が異なるさまざまな人がいるわけですから、たとえば「通勤手当」の単語ひとつとっても定義は異なります。そういった場合に、「あたりまえ」の定義の不一致から信頼関係の破綻を起こすこともあります。だからこそ、私たちの会社の「共通言語」の定義をしっかりしておくことが、必要なんです。
「あたりまえ」の食い違いから発生するトラブルを、どれだけ見てきたことでしょうか。
2.会社理念
会社理念があるかないか、それが浸透しているか、そこに共鳴しているか、それによって従業員の働くことの目的が変わります。給与だけで結びついている従業員は、待遇に満足できなくなると会社を攻撃する材料を探し始めます。そういった時に「パワハラ」には非常に反応しやすいのです。
3.教育
古くからの職人さんは、愛情はあるのに「ばかやろーーー!」以外の表現をしらないだけということもあります。素直に「それは危ないのであなたのことが心配だから@@@というやり方でやってください」(ちょっと丁寧すぎ???)って別の表現を知っていればよかっただけだったり。もちろん、目の前で危険で死にそうな現場でそんなまどろっこしいこと言ってられるかーー!という状況もあるのだとは思います。ですが、適切な想いがあるのだったら、適切に理解しあう手段は身に着けておいた方がよいです。
上司のパワハラでうつになって、有休とりたかったんだけど使わせてもらえなくて、診断書もらってきたら「明日から来なくていい」ってクビにされちゃったんですけど。
なんて相談窓口に駆け込まれなくてもすむように、日ごろからの労務管理、整えておきたいですね。