連続勤務は何日まで可能なのか。何時間連続で働かせることができるのか。IT業界では納期直前の労働時間増、突発の障害対応、夜間の保守業務などで連続勤務が発生しやすく、このような場合の休憩・休日の取り扱いに関するご相談が多く寄せられます。
結論として、労働基準法上の原則としては、週1日の休日を与えていれば連続勤務の上限は12日となります。(休日が第1週目の日曜、第2週目の土曜だった場合それぞれの週では1日ずつ休日があるため、その間、第1週目の月曜~第2週目の金曜までは連続勤務が可能)。
1日の休憩については8時間を超えた場合に1時間以上与えれば足り、それ以上の定めはありません。ただし「違法でない=問題ない」ではなく、安全配慮義務の観点から適切な休憩・休日の管理が必要です。
働き方改革の推進によって長時間労働対策が必須となり、改めて自社の労働時間制度の見直しを迫られている人事ご担当者も多いことと思います。本記事では法律上の原則と例外、そして「違法でないからといって許容できるのか」という実務上の重要な視点を合わせて解説します。
何時間連続で働かせることができるか

休憩に関する法律の原則
労働基準法第34条では、休憩時間について以下のように定められています。
| (休憩) 労働基準法第34条 使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少くとも45分、8時間を超える場合においては少くとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。 |
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簡単に言えば
■6時間を超えて働かせたら、少なくとも45分
■8時間を超えて働かせたら、少なくとも60分
の休憩時間を与えればよいということになります。
8時間を超えた先の休憩はどうなるか
実は労働基準法上では、8時間を超えた先の休憩時間については定めがありません。
つまり、何時間ぶっ通しで連続勤務させても、休憩の観点からは「違法とまではいえない」という状態になります。
ただし、違法でないからいいのかといえば別の問題です。安全配慮義務上、適切な休憩時間を与える必要はありますし、その状態で事故や健康被害が発生した場合は会社側が責任を追及されるリスクがあります。法に定めがなくても、適切に休憩を取れるような時間管理を行うことは当然に必要です。
※業種・職種によっては労働基準法以外の定めやガイドラインが存在する場合があります。
連続勤務は何日まで可能か

休日に関する法律の原則
休日についての労働基準法上の定めは以下のとおりです。
| (休日) 労働基準法第35条 1.使用者は、労働者に対して、毎週少くとも1回の休日を与えなければならない。 2.前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない。 |
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つまり原則は「週1回の休みを与えなければならない」。ただし、4週間で4日以上の休日を与えれば、それでも違法にはならないということです(ただし就業規則での規定が必要)。
極端に言えば24日連続勤務も「違法ではない」
4週4休の規定を適用すれば、24日間連続勤務した後に4日間休みをとれば、労働基準法上は「違法にはならない」状態になります(1年単位の変形労働時間制を採用している場合その他、条件によっては当てはまらないこともあります)。
しかし、これで問題ないかといえば当然そうではありません。これでは生産性もあがりませんし、健康被害・メンタル不調が生じるリスクが高まります。
また、1日8時間勤務で24日間働くと総労働時間は192時間になり、月の法定労働時間(約160〜168時間)を大幅に超えてしまうため、36協定の月45時間上限との関係で、実際には違法になるケースが多いことは注意が必要です。
違法でなければよいのか?「must」と「better」の切り分け

1日8時間・週40時間については厳格な定めがある一方、連続勤務についてはこれほどゆるい定めになっているのはなぜか、という違和感は大いにあります。
しかし、違法でないことと好ましいことはイコールではありません。
IT業界では、納期が迫ると必要に迫られて連続勤務に追い込まれることもあります。しかし長時間の連続勤務が続けば、メンタル不調をはじめとするさまざまな問題が生じます。
睡眠不足での作業はバグの埋め込みの温床です。その不具合対応のために、大人数を巻き込んだ新たな長時間労働が発生します。
・違法じゃないから、連続20時間働かせてよいのか
・違法じゃないから、20日連続勤務させてよいのか
会社の生産性をあげるためには、そこで働く人に最高のパフォーマンスを発揮してもらうことが必要です。最低限の「法」のルールを理解しながら、自分たちの会社にあった「better」なやり方を決めていくことが重要です。
連続勤務を防ぐための管理体制の整え方
36協定・変形労働時間制との関係
36協定(=時間外・休日労働に関する労使協定)では、時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間と定められています。長期の連続勤務が発生する場合でも、この上限を超えることはできません。
また、変形労働時間制(=一定期間を平均して週40時間以内であれば特定の日や週に法定労働時間を超えて働かせることができる制度)を採用する場合でも、法定休日の確保は必要です。
就業規則・シフト管理での対応
・就業規則に「連続勤務の上限は○日とする」と明記する
・シフト作成時に連続勤務日数を事前チェックするルールを設ける
・クラウド勤怠管理システムで連続勤務日数のアラートを設定する
ネットでは、本当に知りたいことは見つからない

インターネットで検索すれば、労働時間や休日の原則についてはすぐ見つかります。しかし、「連続勤務が長くなった場合、8時間を超えたら休憩時間はどのようにしたらよいのか」といった疑問については、法律上の定めがないのですから情報も見つかりません。見つかったとしても、違法でなければよいのか、実務上・運用上どのようなルールにすべきかという的確なアドバイスを得ることは困難です。
人事ご担当者にとって本当に必要なのは、「法律上の正しい知識」だけではなく、それをベースとした「知識の使い方」「知恵」、そしてmustとbetterの切り分けなのではないでしょうか。
「原則だけでなく例外まで含めて、うちの会社の場合はどうなのか」が知りたいところなのではないでしょうか。その答えは、ネット上では見つかりません。「自社に当てはめた場合にどう判断したらいいのか」を一緒に考えるパートナーが、社会保険労務士です。
当事務所であれば、高度な法律上の知識と経験を踏まえた「あなたの会社」のための答えを一緒に探すお手伝いができます。(もちろん、違法や脱法行為をお伝えすることは致しません)
「自社に当てはめた場合にどう判断したらいいのか」
まずは試しに相談してみたいという人事ご担当者の方には、オンラインでのお試し相談承っております。
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