育児介護に関する法律は目まぐるしく変化しています。
特に今年度(2025,令和7年)は、制度の変更はもちろん、育児に関する新たな給付金も創設されています。
今回は、そのうちの1つ「育児時短就業給付金」についてご案内いたします。
育児時短就業給付金とは?
非常に簡単に言うと「育児のために時短勤務して賃金が下がった場合に、国から給付金をもらうことができる」というものです。(給付金を受け取るのは会社でなくて時短した従業員本人です)
■対象者
以下に該当する人が対象となります。
・雇用保険の被保険者であること
・2歳未満の子を養育するために時短勤務をしていること
・育休から引き続き時短勤務になったこと、または時短開始前2年間の間に12か月以上雇用保険に加入していること(11日以上勤務している月を1か月と数える)
※2025年4月より前から時短勤務を行っている人は、2025年4月1日を時短勤務を開始した日とみなして対象とします。
※「育児時短制度」の適用を受け、所定労働時間が短縮されていることが必要となります。遅刻早退等が増えて結果的に労働時間が短くなった、という場合は対象外となります。
※フレックス、変形労働時間制、シフト制などの場合は特殊な取り扱いがありますのでご相談ください。
■給付対象となる月
・月の初日~末日までずっと雇用保険の被保険者である月
・週の所定労働時間を短縮して就業した期間がある月
・初日~末日まで続けて育児休業給付または介護休業給付を受給していない月(1か月まるまる育休中、介護休業中、でない月)
・高年齢雇用継続給付の受給対象となっていない月
いくらもらえるの?
■給付額
原則として、「時短中の賃金の10%」です。
※ただし、時短開始時の賃金を超えないように調整されます。
※条件によって金額が変動します。
■支給対象外となる場合
以下の場合は支給対象外となります。
・支払対象となる月に支払われた賃金額が時短に入る前の賃金水準と比べて低下していないとき
⇒賃金水準は月額で比較します
⇒月によって支給対象になる月とならない月が混在する可能性があります。
例えば、、、時短中に昇給があって時短前より賃金月額が上がった場合でも、
欠勤控除が大きくなって賃金水準が下がる月があれば、その月については支給対象となります。
・支払対象となる月に支払われた賃金額が上限額以上の場合、または下限額以下の場合
支給を受けることができる期間
支給を受けることができるのは、以下の期間となります。
開始:
時短勤務を始めた月
終了:
・子の2歳誕生日の前々日
・別の子の産休、育休に入る日の前日
・介護休業に入る場合はその開始日の前日
・別の子の育児時短勤務を開始した場合はその前日
別の子について、新しい育児時短給付金の対象となります
・子の養育をしないことになった日(子の死亡等)
図にすると以下のようなイメージです。
※厚生労働省リーフレットより
2025年4月より前からすでに時短を行っている方の注意事項
2025年4月以前から時短勤務を行っている人は、2025年4月1日を時短勤務を開始した日とみなして対象となりますが、「時短前から賃金水準が下がっているかどうか」の判断を慎重に行う必要があります。
この場合の「時短前の賃金水準」とは、以下の2つのどちらか「金額の高い方」となります。
・2025年3月以前の6ヶ月の賃金から計算される賃金月額
・以前に育児休業を取得している場合は、その際に決定された休業開始時賃金月額の7割
ですので、現在の賃金水準が「時短前の賃金水準より下がっているかどうか」の試算については判断が非常に難しく、正直なところ「ハロワークに出してみないと判断が難しい」ということになります。(できないとまではいいませんが、難しいです)
会社としては、それでも申請するのかどうかの判断を求められることになります。
手続きは?
ハローワークに申請手続きを行います(原則2ヶ月に1度)。
申請は、初回の申請対象となる月から4か月以内が原則となっているため4か月以内に行うことが好ましいですが、それを過ぎていても申請は可能です。(最大2年間)
最近の出産や育児に関する手続きは非常に複雑になっており、例外や経過措置などが複雑に絡み合ったものとなっています。
条件の確認や手続きは社会保険労務士に依頼されることをお勧めします。
お問い合わせはこちらから。
手続きをご希望の方
この複雑な育児時短就業給付金についての申請代行を承ります。
報酬は以下となります。
①顧問先のお客様の場合(総合顧問、相談顧問どちらの場合も)
申請タイミング | 報酬 |
初回 | 20,000円 |
2回目以降 | 5,000円 |
②顧問先以外のお客様(その都度スポットのご依頼)
申請タイミング | 報酬 |
初回 | 40,000円 |
2回目以降 | 10,000円 |
※初回は、過去12か月分程度の出勤簿、賃金台帳の精査等が必要となるため費用が高くなっています。
※申請の結果、支給対象外、または著しく低額になる場合もありますが、返金はできませんのでご了承ください。
※申請前の受給可能性の判定はできないものとなります。ご理解いただけますと幸いです。
お問い合わせはこちらから。
参考
ご参考までに、以下ハローワークのリーフレットとなります。