いよいよ、給与のデジタル払いが可能になります。
給与のデジタル払いとは、給与の一部を電子マネー(PayPayなど)で支払うことができるようになるものです。
PayPayが、国内初の、給与のデジタル払いができる業者として厚生労働省からの指定を受けることとなりました。
これまで、法律の面ではデジタル払いができることとなり、要件が整備されてきたものですが、実際にどの電子マネーで、どのように支払うことになるのか、実務上の具体的なことについては全く明らかにされていないままでした。これが、PayPayから実際にサービスとして提供されることになったことにより、具体的な内容が明らかになり、いよいよ給与のデジタル払いが現実的なものになってきました。
この報道を受けて、従業員側から「うちの会社はデジタル払い対応してくれるの?」という質問や「デジタル払いしてほしい」という要望が来ることが予想されます。さて企業としては何をしたらよいか、また面倒なことをしなければならないのではないかと不安になっている企業の担当者の方もいらっしゃるかもしれません。
安心してください。PayPayから発表されたフローによると、シンプルなフローで対応することが可能になりそうです。
以下に、現時点で発表されているPayPayでの支払いプロセスをご案内します。
大まかな流れ
①デジタル払いに関する労使協定を締結する(会社と従業員)
②従業員がPayPayアプリでデジタル払いの申込を行う(従業員⇒PayPayアプリ)
⇒ここでデジタル払い用の銀行口座が発行される
③本人が会社に同意書を提出する(従業員⇒会社へ)
④会社では銀行口座を給与ソフトに登録する(会社)
⇒ここで口座登録作業が発生します。もしかしたら第二口座の設定が必要になるかも
③給与支払時に、指定された口座に賃金を振り込む(会社)
会社からすると、指定された銀行口座に賃金を振り込むだけで済みます。
これまで第二口座の運用をしていなかった場合は第二口座の運用を検討する必要があるかもしれませんが、各資金移動業者別に個別の振込を行ったり、デジタルへの振分をおこなったりする必要はありません。今までの給与計算のオペレーションと何ら変わりなく進めることができます。
※これはPayPayから発表されているフローなので今後他の資金移動業者から提示されているものではありませんが、似たようなフローになることが想定されます。
具体的なサービスの提供はこれからになるようですが、ますます便利な世の中になりますね。
会社が今やっておくべきこと
サービスの全てはまだ公開されていないため、具体的対応はもう少し発表を待つ必要がありますが、会社がいまやっておくべきことは以下の3つです。
①会社としてデジタル払いに対応するかどうか決める
②対応するなら労使協定のひな型を用意しておく
③対応するなら同意書のひな型を用意しておく
ここまでしたら、次の発表を待ちましょう。