「シフト制」労働者の雇用管理を適切に行うための留意事項

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「シフト制」労働者の雇用管理を適切に行うための留意事項

あなたの会社には「シフト制」の従業員はいませんか?

※今回のお話でいう「シフト制」とは、変形労働時間制や三交代制などではなくて、ベースの勤務日や時間を定めず、「具体的な勤務日はシフトによる」というような形でその都度働く日時を定め方をする場合のことです。

これ実はとってもトラブルが多く、労働基準監督署の相談窓口でも相談件数が多いもののひとつなんです。

働く側からすれば約束に縛られずに自由に柔軟に働くことができる。
雇う側からすれば業務の繁忙に合わせて働いてもらうことができる。

でも、

「シフトに入れてほしいのに入れてもらえない」
「勝手にシフトを減らされた」
「有給休暇がないといわれた」

という争いもまた起きやすいものでもあるんです。

でも、働く日時を厳密に決めないって、パートアルバイトならありそうですよねえ?
一体どのように考えたらよいのでしょうか?

答えは「目安を決めて雇用契約書に書いておく」です。

もちろんメリットデメリットありますので、続きを読んでくださいね。

人を雇う際の基本のルール

まず、人を雇う際の基本ルールについておさらいしておきましょう。

人を雇う際は必ず「労働条件通知書」(雇用契約書)というものを本人に渡す必要があります(労働基準法第15条)。

この「労働条件通知書」には必ず記載しなければならない内容というものが定められています。それが下記です。

(1)労働契約の期間に関する事項

(2)就業の場所及び従業すべき業務に関する事項

(3)始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時点転換に関する事項

(4)賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金等を除く。)の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払の時期

(5)退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

 

渡していない、という場合はこれから必ず渡すようにしましょう。トラブルになるケースは、ここがあいまいなことに原因を発するものが多いです。そのくらい超重要書類だと思ってください(法律だから、ではなくて自社を守るため)。

「始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇」に関する事項は「必ず記載しなければならない項目」なんですね。

でも、シフト制の場合はそもそもこれが決められないから書けないんじゃないか!という声が聞こえてきそうです。

まあねえ、そうなんですよ。ですので「最低限を抑えつつ、可能なところまではがんばろうよ」ということになりますね。

じゃあ、何を?どこまで?

これに関し、厚生労働省から、シフト制で勤務する従業員を雇用した場合の注意事項が発表されました。

シフト制勤務の労働条件通知書(雇用契約書)の書き方

勤務日等の決め方について

このようなガイダンスがだされました。

厚生労働省HPより)

労働日、労働時間の目安については、
・週〇日程度、月〇日程度、週〇~〇日程度、週〇〇時間程度といった勤務日数や時間の見込
※ただ「シフトによる」とだけ記載するのではなく、目安を書いておくのがおすすめです。

シフトの作成に関する注意事項

さらに、シフトを作成する際の注意事項としては、以下のようなものがあげられています。


厚生労働省HPより)

シフト制の労働者に働いてもらう場合の注意点

シフト制労働者は「働く日時が流動的」というだけであって、やらなければならないことは他の労働者と全く一緒です。

■有給休暇
シフト制の場合でも有給休暇が発生します。
シフト作成時に「有給取得日」というシフトを作成して休んでもらうことになります。

■社会保険
・シフト制労働者でも、労災、雇用保険、社会保険の対象となります。

シフト制だから特別、ってわけではないので注意が必要です。

ざっくり労働日数などを決めておくことのメリットデメリット

本記事ではシフト制の場合でも「ざっくり労働日数・時間はきめてね」をお伝えしていますが、何故なのでしょうか?

それは、働く人にとっての不利益が大きくなりすぎてしまうことがあるからです。

新型コロナウィルスによって緊急事態宣言が発せられ、業務量の調整をしなければならなかったとき、真っ先に影響を受けてしまったのが「シフト制の非正規労働者」でした。急にシフトを減らされ、でもベースの雇用契約があいまいだったために、休業手当の対象にならない。しかしながらもしかしたらシフトが急に入るかもしれないから別のアルバイトを固定的に入れることも難しい。そんなことが重なり、困窮してしまう人があふれてしまったのです。

会社としては、決めることのリスクももちろんあります。

それは

「週@日程度」と決めたら、大体そのくらいのシフトに入れることを約束した

ということになるということです。つまりは、本人が希望しているのに会社の都合でシフトに入れられない場合は「休業手当」の対象となる、という問題です。会社としては、休業手当の支払い義務は重いものです。・・・正直、痛い。その気持ちは分かります。

では、日にちを決めていなければ休業手当は払わなくて済むのでしょうか?

これについては裁判で一定の見解が示されています。

「いきなり会社の事情のみでシフトを減らすことは、シフトを作成する権利の濫用である」と。

例えば今まで月20日シフトに入っていた人が突然翌月半分に減らされたら?
働く人にとっては収入の見込もたたず、生活に困ってしまうことになります。

ですから、所定労働日数等を明確に定めなければ、完全に会社の事情で決めてOKということにはならないのです。

ここについては、運用、会社文化、実態、その方の生活事情等全てを考慮して繊細に検討する必要があります。

ですので、ぜひ個別にご相談くださいね。

困った方はオンラインスポット相談承っております(初回30分:5,000円~)のでご連絡ください。

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